就職金曜カレー「ガヴィアル」@ビーフカレー大盛
「 メッカ」
ある物事の中心地として、それに関係する多くの人が集まったりあこがれたりする場所。「映画の―、ハリウッド」(デジタル大辞泉より)
東京都千代田区神田にある街「神保町」は学生街でありながら、古書店街でもある歴史と文化に溢れた街です。
そんな神保町、ある料理の激戦区として名を馳せています。
そう、私も大好き「カレー」です。
googleで「神保町」と打った後にスペースを入力すればサジェストワードの一番上に出てくる単語は「カレー」
食べログなどの口コミ評価サイトでも、神保町のカレー屋さんは100件以上の投稿で星が3.5以上の評価を獲得しているお店が何軒もあります。
そんなすごい街に折角来たのなら、カレーを食べなきゃどうしようもないっ!
ということで、用事の前にカレーを食べに出かけました。
神保町駅を降りて、靖国通りと白山通りの交差点に面したビルの2階に「カレー」の文字。
とにかく飢えてた私は速攻で入りました。
「ガヴィアル」
店内は落ち着いた雰囲気が流れ、カップルも数組。
その中に突入する空腹ぼっち(23)
人目なんて気にしていたらぼっちやってませんよ全く。
個人的に、本格的な欧風カレーのお店の好きなところはジャガイモをサービスしてくれることでしょうか。
提供されるタイミングは店によってまちまちですが、働き盛り食べ盛りの自分にとってじゃがいもも立派な食糧だぞハルトマン。
じゃがいもにバターの付け合わせという、それだけでもう料理として完結してしまっていますがカレーの場合にのみそれはラッキョウや福神漬けと同じ扱いになります。
カレーのルゥを少し多く口の中に入れてしまった場合の追加の炭水化物として。
あるいは人心地つきたいときに、口の中をいったんまろやかな感覚に戻すときに、じゃがいもの付け合わせは大活躍してくれます。
カレーの中にあるじゃがいもはカレーのとろみや食感のアクセントのために、粉骨砕身して尽くすのに対し、ただバターをつけて蒸かしてあるだけで立派な引き立て役になってくれるんだから、
じゃがいものポテンシャルの高さは感動します。
このお店の心遣いとして素晴らしいと思ったのは、付け合わせのラッキョウとチャツネがテーブルに置いてあるのではなく、料理を注文した際に小皿に乗せて「料理のひとつ」として提供されているところです。
普段松屋ややよい軒では紅ショウガや漬け物を馬鹿みたいに食べるのが好きな自分にとって、このシステムは驚いたと同時に、この店の風格というものを感じました。
「ああ、さもしい人間は来てはいけないな」と。
以前の私なら心が折れているところですが、社会人経験を積んだ身にとってこのように客としての姿勢を求められれば、それに答える覚悟と努力はしてきました。
このガヴィアルの宣言を余裕をもって受け止めることが出来、美味しく皿に盛られたラッキョウと福神漬けは完食しました。
だって残したら勿体ないですし。
ライスは大盛りにしました。お腹が空いてましたし、直感で普通盛りだとルゥが余ることを予感できたためです。
ライスにはチーズがかかっています。といってもチーズ臭い感じは一切せず、ライスとルゥの繋ぎの役割を果たしていました。
確かに、カレーのルゥとしては一級品の出来なのに、ライスと一緒に口に入れるとなると何かが足りない感じがするカレーライスはままあります。
もちろんルゥは一級品。しかし手を抜かずカレーライスとして万全の味づくりをする上でこのような繋ぎ手が必要なのでしょう。
このチーズはカレー屋によくあるチーズトッピングとは出自が違います。トッピングはルゥのまろやかさを増幅させるための調味料。もちろんチーズの味はふんだんに主張されます。
しかしライスにかかったチーズは主張はほとんどしません。ルゥの味に手を加えることなく、口の中でライスと一緒に味わうときにそのまろやかさが少しだけ顔を覗かせます。
ルゥはすごくまろやか。
私は中辛を頼みましたが、刺激のような辛味は一切なく食べ進めていくうちに汗が少しずつ出てくる。そんな優しい辛さです。
グレイビーボート(カレーのルゥが入ってるランプみたいな容器)に入っている都合上、あまり大きな固形物は残しておけません。
自然と野菜が煮込まれている形になりますが、その時間がこの優しさに繋がったのでしょう。熟成という言葉がぴったりです。
最後に、このカレー。
時間の都合上、10分足らずで完食しました。
初めは意気込んで「急いで食べなきゃ次の予定に間に合わない」とプレッシャーをかけていましたが、一口食べた瞬間に、力みは消え、食は進み、あっという間に食べきってしまいました。
まだまだ美味しい店がたくさんある神保町。また今度時間に余裕をもって訪れたいです。